しゃがまなくなった日本人

veatrice2010-07-17

そういえば、サッカーの釜本選手の太ももは太かった。
昔の日本のサッカー選手は、太ももの膝の上の部分が、ボディービルダーや競輪選手のように発達していて、みんなガニマタだった。

しかし、一般にヨーロッパの選手の脚はそんなに太くない。太ももの筋肉は、前より後側が発達していて、大臀筋がしっかりしていると、何かの本に書いてあった。サッカー選手として必要な「蹴る」力は、前腿より後ろがしっかりしていることが必要なのだと。そういう「合理的」な筋トレの成果か、日本人でも若い選手の脚は、昔ほど太かったりガニマタだったりはしない。

かつての日本人は「思い込んだら試練の道」を「ど根性」の「うさぎ跳び」で下半身を鍛えたのだろうか。「うさぎ跳び」なんて体罰の象徴で、百害あって一利なし、と学校体育から抹消されたけど、本当にそうだったんだろうか。

股関節が柔らかい、というのは、相撲をはじめとして日本の武道では、非常に大切な要素だ。あんなに肥満体の力士達でもぺったり股割りができる。そんきょの姿勢で、上半身は真っ直ぐで力を抜いてゆったり、という姿は美しい。

一般家庭から「和式トイレ」が姿を消してから、小学校のトイレが使えない児童が多い、とも聞く。このまま、日本人が日常生活の中で、しゃがんだり正座したりしなくなると、日本人の身体はどうなっていくのだろうか。

海外に行くと、同じアジア人の中からでも日本人はすぐにわかる。ちょっと前ならブランド品の持ち物が目安になったが、ブランド品を持たない若い人でもすぐにわかるのは、彼らの姿勢の悪さが他のアジア人にはみられない日本人の特徴であるからだ。

などととりとめのないことを、昨日の「すり足」の稽古で「そんきょのまま膝で歩く」という型をやって、今でも(っていうか昨日より一層)階段を下りる時に膝ががくがくして痛い前腿をさすりながら、つらつらと思ったりした。