政治家のことばのチカラ

veatrice2009-09-16

鳩山内閣が発足した。

昨夜の新閣僚の記者会見生中継は、思わず最後まで見入ってしまった。
だっておもしろかったんだもん。

理由は、ほとんどの新大臣達が自分のことばで語ろうとしていたから。外見は冴えない地味なおじさん達が、自分の発する言葉を、一度自分の頭を通して考えながら、自分の言葉で語ろうとしていた。

私の記憶にある限り、派閥力学と当選回数を基に選出された今までの自民党の「先生方」の就任記者会見は、誰か他人の作った原稿をなぞった音を出していただけ、という印象が強い。こいつアホちゃうか、と、明らかに知能の出来を疑いたくなるようなオヤジも少なくなかったし。

面接試験で「志望動機」を問えば、暗記した「模範解答」を暗唱しているのか、自分の頭で考えて自分の言葉で語っているのかは、すぐに区別できる。

小泉純一郎元首相の人気があれほど高かったのは、彼が常に自分の言葉で語りかけようとしたから。彼には「ことばのチカラ」があった。ことばに魂を込めていた。内容ではなく、彼の姿勢と気概が、おばちゃん達のハートをぐっと鷲掴みにした。

他の政治家に「ことばのチカラ」があまりにないものだから、ちょっとこれができる政治家は「話がよくわかる」というその事実だけで、目立っちゃう。中身はとりあえず置いといて「純ちゃんカッコイイ」になる。中身よりムード。ヒトラーが生まれる。

しかし、民主党の新閣僚達のように、自分のことばで話すチカラをもってる政治家があたりまえ、というレベルになると、次は「語り方」より「語られる中身」そのものこそが重要になってくる。かくして私達有権者は「目が肥え」て、政策の中身に耳を傾け検討するようになる。民主主義が育つ。