中日新聞の河村新市長の扱い方について

veatrice2009-04-30

アメリカには、新大統領が就任してから最初の100日は、あえて批判しないで見守る、という紳士協定があるのだそうです。

そらまあ、言われてみればそのとおり。いくら優秀な人材だろうと、新しいポジションに着いて直ぐに成果を出せ、というのは、あまりにも無謀な要求。ましてや、今回のような100年に一度と言われる未曾有の大経済危機。即効の特効薬などあるはずもない。

確実な解決策などありえない難問をかかえて、大変な船出をする大統領に、たとえ思想・信条・利害が対立していても、過剰な批判を控えて、揚げ足取りなど敢えてしないでお手並み拝見、という姿勢がとれるとは、なんという大人の対応でしょう。

そしてその100日が過ぎました。いまだに大統領の支持率は、各種調査によると、60%後半で、クリントンの時の35%と比較するといかに高いかがわかります。

オバマさん、すごいね、よかったね。
不可能、ありえない、ムリッ、理想主義、と一笑に付されそうな「全世界からの核廃絶」に向けても、本格的に取り組んでいってもらいたいものです。
がんばれ世界のドン・キ・ホーテ!

さて、名古屋にも新しくドンキホーテ市長が誕生しました。

アメリカのような「100日」とは言いませんが、せめて3週間くらいは、32年ぶりに投票率が50%を越え、史上最多の51万余票を獲得して誕生した役人以外出身の新市長を祝福し、もう少し温かい目で「希望と期待」を込めて見守る、という姿勢の「紳士的」新聞報道はできないものでしょうか。

選挙の翌日からその後2〜3日の中日新聞の見出しは、「公約実現へ波乱の船出」「黒船襲来」「10%減税へ波高し」「『地域委』などにも反発」「船出にケチ?風紀の壁」
まだ、議会も何も始まっていないのに、何この否定語の連発は?

記事は識者や関係者の話ばかりで、一般有権者の意見は、ひとっつも紹介されてない。「30年ぶりに投票しました」というお年寄りとか「初めて選挙に興味持ちました」っていう30代サラリーマンとか「マニフェストにある『地域委員』をやりたいです」っていうお母さんとか、「日本の民主主義の発祥ナゴヤって、おもしろそう」っていうフリーターとか、新市長に期待する一般市民の声など、一切載ってない。投書欄に「高い得票率は期待感の表れ」というのがありましたが、投稿者の住所は岐阜市でした。

極めつけは、選挙3日後水曜日のの朝刊「壊すのか創るのか」の記事の締めくくり。「名古屋の場合、市民36万人の署名を集めれば市長をリコールすることもできる。」だって。

新婚三日目の新妻に「夫が嫌になった場合の離婚の手続きを教えてあげましょう」って、フツー言う?これはいくらなんでも後ろ向き過ぎやしませんか。まだ一緒に暮らし始めてもいないんですよ。

社会部の豊田雄二郎って人の署名記事だったから、中日新聞社として、というより、豊田記者の個人的な恩讐が関わっているのかもしれませんが。それにしても中日新聞、派遣労働やトヨタや農政の告発など「足で裏をとった」取材を基にした質の高い記事が多いだけに、今回のバイアスのかけかたは、ちょっとらしくないのではないですか。何か意図があるかと、勘ぐってしまいたくなります。