佐藤優は勝間和代を尊敬してます

veatrice2009-12-21

最近、佐藤優様にはまってます。あのパグのようなお顔がだんだん味わい深いものに見えてきて。中日新聞の夕刊の「紙つぶて」の連載も楽しみにしておりました。年内で終了なのが残念です。


その佐藤勝さまが立花隆さんとの対談本の中で勝間和代さん尊敬している、と発言なさっているので、ますます好きになっちゃいました。


文春新書719「ぼくらの頭脳の鍛え方」209ページで「俗物すぎてつきあえないな」という印象を持つと発言する立花氏に対して「彼女に関して世間では非常に誤解されていると思うんです。」と持論を展開。熱く語っておられるのでそのまま引用します。


「彼女の発想とは、基本的にはマルクスの『資本論』で言うところの熟練労働者になれというものだと思うんですね。要するにマネー・ゲームの中で、株を買って、儲けて、資本家になれ、と言っているわけではない。あるいは出世して経営者になれ、というものでもない。断る力を身につけて、これ以上の仕事は引き受けない。そして、自分の時間を持て。ただし普通に生きていると商品になってしまうから、スペシャリストになれ、つまり、代替が容易な単純労働者ではなく「資本論」が説くところの熟練労働者になれ、と言ってるわけなんです。」


「熟練労働者」はトーマス・フリードマンも「フラット化する世界で生き残るためには『アンタッチャブル』(代替不可能なスペシャリストの意味)になれ」と主張していて、勝間さんのネタもとはこの辺かなぁと思っていたけど、そうかあ、元をたどればマルクスだったか。勝間さんとマルクスをつなげるとは、さすが佐藤優さま。


勝間さんは、外資系で自殺したいほど苦労し、二回離婚したシングルマザーでもあり、競争社会の中で深く傷ついた経験を持っており、それらを全部入れ込んだ上で処方箋を出している。また、印税の二割はチャリティーで第3世界に渡すというNPO活動もし、おまけに「猫を飼っているが、捨て猫を拾ったものだ」というプライベートまで暴露。

立花氏は「ははは。だとすると僕も何度か捨て猫を拾っているから新自由主義者じゃないわけだ。竹中平蔵は拾わない?」と、実は勝間本は一冊も読んでおらず、伝聞からの印象を口走ってしまったオヤジな自分をちょっと恥ずかしいと思ったのか、竹中平蔵に話題をふって、お茶を濁した立花さんでした。


最後に佐藤さんはもう一度「資本主義に対抗して現実に実効性を持てるような形での対案を出している女性として、雨宮さんと勝間さんを、私は、非常に尊敬しているんです。運動体として組織をつくっているわけじゃない。しかし読者に支持されて、ファンも多い。そして二人は、今の新自由主義の行き詰まりに対して、現実に足がかり、手がかりがある形で、内部から変容していく処方箋を提示しているんですね。」とキッパリ。


も〜。いいこというなぁ、佐藤さん。勝間さんご本人に聞かせてあげたいよ。