嗚呼 中日ドラゴンズ

veatrice2012-04-07

今日ドラゴンズは、勝てた試合を落とした。単なる一ファンに過ぎない私だが、怒りのあまりこれを記さずには今夜は眠れない。


前監督の教えを血肉にし自立した選手達が伸び伸びと実力を発揮し、開幕から引き分けを挟んで5連勝だった中日ドラゴンズだったが、現監督が「自分の色」を出し始めたとたん歯車が狂ってきたようだ。


小学校から高校まで同学年で何万人といる野球人口の中からドラフトでほんの数人しか選ばれないプロの野球選手ともなれば、打つ、走る、投げるといった個々の選手の持つ力量は皆、優秀で、差は紙一重であろう。その潜在能力をオフの練習期間にどれだけ磨き上げ、そして本番の試合の中でどれだけ発揮できるかは、ほぼ精神的な部分にかかっているだろう。


そのいい例が今年の巨人だ。例によって金に任せて他球団から主砲やエースを掻き集め、評論家陣もそろって優勝候補に挙げていたが、選手達は本来の実力が発揮できないまま、チームは現在最下位に沈んでいる。お気の毒なことだ。


さて、我が愛するドラゴンズは、開幕から4連勝した。すると、これを現監督は「Unbelievable!(信じられない!)」と言った。あなたが選手だったらどう思うだろう。私なら腹が立つ。自軍が勝ったことを信じられないなど、仮にもプロが口にする言葉ではない。お前は、欽ちゃんか。しかも、前年に最下位チームなら話はわかる。2年連続リーグ優勝をとげたチャンピオンチームだ。開幕早々Bクラスチームから連勝したって当然ではないか。

現に選手達はどう思っただろう。気にしないで聞き流せるほど大人であってくれればよいが、と心配しながら私は昨日のヤクルトとの初戦を見守っていた。

エース吉見が7回まで1−0で抑えていた。投球数も71球で完投あわよくば完封ペースだ。なのに7回裏に代打を送られ交代させられた。私が吉見だったら思う。自分は信頼されていないのか。1点のみのリードではお前の投球では不安だから加点を狙いにいった、というメッセージ。


そして今日のヤクルト第2戦。1−1で迎えた8回裏の得点チャンス。またしても平野3塁コーチがゴーストップの判断を間違えた。これで7試合で4度目である。森野が止められず走っていれば得点できていた。さらに悪い事には、平野コーチの気まずそうな顔がテレビに映ってしまった。この映像はやがて選手の目にも入る事になるだろう。信頼できないコーチ。。。

すると山井が9回表にHRを打たれ1−2で1点リードされた9回裏。谷繁がフォアボールで出塁すると代走が出された。代えられた谷繁も怪訝そうだった。は?本当にいいの?延長戦とか考えてないの?しかも出たのは代走スペシャリストではなく出塁すること自体が初体験の高卒ルーキー。何考えとるの?そして、代打は、特にバントの名手でもない堂上。結果バント失敗で、中途半端に打ちにいってダブルプレーで試合終了。


後味の悪い負け。しかも、この負けは、連勝の後のただの一敗ではない。采配ミスによる負け。開幕前から心配されていた首脳陣に対する不安は不信となって現れてしまった。


「人気取り」を狙い、知名度を重視し指導能力不問でOB選手を中心にコーチ陣を組んだ球団と現監督は、プロスポーツプロ野球選手とプロ野球ファンを冒涜したことを自覚して欲しい。


私のような素人でも、この10年余りでメジャーリーグをテレビ観戦し見る目が肥え、知将を戴けば「打率が最下位でも采配次第で優勝できる」野球の醍醐味を経験した。一旦本物の美味しさをおぼえてしまった舌には、不味いものの不味さはたえられないものだ。しろうとの私でさえこうなのだから、現場で野球をやっている選手たちの「やるせなさ」はいかばかりだろうか。


しかし、選手達これに腐らずに、これを乗り越えていってほしい。願わくば、8年間の落合監督の下で鍛えられた「自立した強い精神」で、しばらくは、気持ちが乱されるかもしれないが、それに惑わされずに、本来の実力を発揮していってもらいたい。

そうすれば、やがて、どんな指導者の下だろうと、どんな不利な条件でもブレずに実力の発揮できる、強い、真のチャンピオンになっているだろう。